猫 乃 眼

猫に癒され、旅で癒され、マイペース ☆おぐにゃん☆

西本智美のマーラー第5番

昨日、マーラー第5番を聴いた。
ロイヤルフィルを西本智美さんが指揮された。

ホールでシンフォニーを聴くのは、3年前の「新世界より」(「至福の音色」)以来のことで、そのときも思ったが、

やっぱり音楽はライブが本物

音場のハーモニーがいつも聴いているCDやiPodとは全然違う。

クルマや部屋で聴いてるから、音場もシステムも安物だから仕方ないが、普段はいかにつまらない演奏を聞いているのか。(落胆)

極端過ぎるかもしれないが、ハーモニーを聴かずにメロディだけ聴いているカンジかなあと思ってしまう。

シンフォニーホールで奏でられるマーラーは、ハーモニーに包まれるだけで、涙が出てくる。(これも言い過ぎ?)

でも、チケット代高いので、そう度々行けません。(怒)

西本さんのマーラーはメリハリがあってホント良かったです。そして、浪々と唄う。(感想)
(と言ってもインバルのCDしか聴いたことないので)

第1楽章の葬送のメロディからテンポを抑えめに浪々と唄う。
第2楽章(第5番では一番好きな楽章です)も、浪々と唄うような演奏が最高によかった。感激。

ところが、だ。
第2楽章が静かに収斂して終わろうとしている、静寂の音場に

なんと、携帯が
トゥルルル~、トゥルルル~、トゥルルル~、トゥルルル~、トゥルルル~、トゥルルル~、.......

しつこいが、もっと長く鳴り響いていたかもしれない!(怒)

前代未聞。感激が一転ブチギレ!

第2楽章を終えるやいなや、西本さんは指揮台をおりてスタスタとステージから去ってしまい、オーケストラは音合わせを始める始末。

すぐに西本さんが復帰して第3楽章が始まったが、 聴き手としては携帯が鳴った時点でもうオシマイです。
たとえが悪いかもしれないが、マラソンで言えば途中棄権しないでよく完走したというレベルになってしまった。(聴き手の感性?)

テンポとメロディが複雑に絡み合って難しい第3楽章に入る前だったのがなおさら最悪。
演奏が素晴らしかっただけに、作品として完成しなかったことが悔やまれて仕方がない!

第4楽章はビスコンティの映画「ヴェニスに死す」に使われたのであまりにも有名だが、逆に演奏が始まると聴き手は映像が頭に浮かぶので、演奏者にとっては表現が難しいのではないかと思う。

西本さんは、抑えて抑えて、聴き手にヴェニスの運河の静寂な水面をイメージさせる素晴らしい演奏だった。
そして時折わずかなさざ波の動きをイメージさせてくれる震えるような響きだった。

フィナーレの後は、素晴らしい演奏に拍手はいつまでも続いた。

あのぶち壊しさえなければ.....と思うと無念だ。
携帯鳴らしの犯人は、悪気はなかったのだろうが、マナー違反も甚だしい!

自分自身もきつく戒め、教訓にしなければならない。