猫 乃 眼

猫に癒され、旅で癒され、マイペース ☆おぐにゃん☆

生命と野生が輝く動物園

旭山動物園はこの11月3日に冬期間に入ったばかり。
この写真は、ホッキョクグマのモグモグタイムに撮影。エサをめがけて水中ダイブする迫力。携帯のカメラではそのスピードについていけません。やっと1枚フレーム内に収めることができました。

$チビ&ゴンのきままな生活 ■□■□■

北海道は昨日(11月7日)凄まじい突風が吹き荒れ、竜巻で死者が出たそうだが、今日は肌寒い程度で風もおさまり一安心。
札幌駅前から中央バス冬の旭山動物園日帰り観光コースに乗車しました。
平日のせいか乗客はわずか9名。
それでも動物園に着くとあちこちから集まって来たお客さんで、平日なのにけっこう賑やかな感じ。サスガ!の人気。
後でガイドさんに聞くと、「今日は少ない、普段はこんなものじゃない」そうな!

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それはともかく、旭山動物園はやっぱりすごい!
マジ、体が震える位の感動でした。何がすごいかって、今では有名な「行動展示」を実際に見て確かめてごらんなさい。動物のイキイキした姿、行動に魂が揺さぶられることまちがいなしですよ。

僕なんかとくに気に入ったヒョウとアザラシは3回も4回も見て、楽しんだ。
不思議なものだ。何度見ても、いつまで見てても飽きない。(個人的に問題あり?)


たとえば、アザラシは円筒の中を泳いで通過しますが、じっど観ていると、アザラシによって性格が違うことがわかるのです。すまし顔でスィーと通り過ぎて行く奴もいる。(ある意味これは僕的か?)これはあまり可愛くない。

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ところが一匹、カメラ目線でゆっくり登ってくる奴がいて、これがやはり人気の的でした。この子が現れるたびに、若い子も、おじさん、おばさんもうれしそうな歓声を上げて、円筒の周りに笑顔が満ちあふれる。
その愛らしい目はK工業のH社長(ローカルな個人名ですみません)がオチャメに現われたみたいで、妙に親しみを感じました。


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ヒョウも迫力。なんせ頭上に横たわっているので怖い位近くに感じます。
たまたま場所争いなのか、いきなり牙をむいて喧嘩が始まりました。その場にいた観客は、牙をむいて唸り声をあげて争う2匹のヒョウの野生に圧倒され、声も出せない。
勝った方のヒョウははつい先程の怖い顔から一変して、満足気に猫みたいなおとなしい表情に戻り、私たちにもやっと安堵の笑顔が戻る。やあ「生」の迫力です。

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このような野生の行動を間近に見れる装置、配置の工夫が旭山動物園の素晴らしさだと感心しました。
旭山動物園についてはいろんなところで紹介されているが、例えばペンギン館の水中廊下は、ペンギンが空を飛ぶように見えます。

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これはいろんなところで紹介されている写真でもある程度雰囲気は伝わるでしょうが、園長の小菅さんが本の中でも書いおられるように、自分も空を飛んでいるような感覚は、その場に立たなければ体感できない。実際ふらつくような感覚です。これなんかもよく考え抜かれた装置だと感心しました。

旭山動物園に行こうと思い、予備知識を得るために駅の書店に行くと、2冊の本が並べてあり、「旭山動物園革命」と「戦う動物園」を買いました。単に動物園のことにとどまらず多くの示唆に富んだ内容でした。
これはお勧め。
私もある程度予備知識を得ていたので、自分なりにより楽しめたのだと思います。

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時間も費用もかけて来ても決して高くついたと思わせないのは、「旭山動物園」がブランドになっているからでしょう。

顧客満足度が高ければ、いくらお金を払っても、決して高いとは思わないものだと、いい勉強になります。

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もうひとつ、旭山動物園の英語名に「WILDLIFE CONSERVATION CENTER」(野生生物保護センター)が付いている、と本で知りました。
ここでは、種の保存にも積極的に取り組んでおられるそうです。


ここでも「常に野生に学ぶ」姿勢を堅持されているようです。
動物によって生態が違うので、ただ単にオスとメスを一緒の檻に入れておけば繁殖するというわけではないそうです。


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たとえば巣穴を研究して、産室をつくりかえて成功したホッキョクグマ
冬の期間に減量して飢餓感をもたせて成功したエゾタヌキ。
生態を観察しいったん別居させ、時機を見て同じ部屋に入れて成功したエゾリス
など・・・それぞれに応じた「オリジナルの研究」というのが、すごい?よね!

旭山動物園では手書きポップ(パネル)も伝統だそうで、手書き特有の暖かみが伝わってきます。
エゾシカのポップで面白いのを発見した。(写真)「シカト」の謂れは花札に有りという内容だったので、写真に撮りました。

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手書きポップは園内いたるところに設置されていて、こんな地道な努力があるからこそ旭山動物園の人気は衰えないのだと感じました。

最後に、一言。
「戦う動物園」は旭山動物園の小菅園長と到津の森公園の岩見園長二人の対談を中心に構成されていますが、買ったものの当初どうもタイトルが気に入らなかったのですが、
ところが、読んでいるうちに、なんとなくわかってきました。

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少し長くなりますが引用すると、「・・・野生の動物をあつかうことは、毎日が戦いの連続である。彼らは家畜ではないから、人間が管理するのに都合のよい特性をもち合わせていない。・・・略・・・管理する人間の都合に合わせれば、野生の動物は簡単に死ぬことで仕返しをする。それでは動物園の負けである。飼育者として失格である。しかし、野生の動物の都合に合わせることは、もともとできない仕組みを動物園はもっている。だから、折り合いをつけなくてはならない。それは、戦争である。異なる生存原理をもつものの間の、小さな戦争である。・・・」だから園長は「戦いの指導者としての資質」が必要なんだ、ということでした。

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人間の特性である知性と理性が、常に野生に学び、戦いを続ける動物園の源泉なのだと感銘しました。