猫 乃 眼

猫に癒され、旅で癒され、マイペース ☆おぐにゃん☆

世界遺産・屋久島の旅~海・山・川・杉・そして動物……

2006年10月の2泊3日の屋久島親子の旅8回分を今回一本化。 ............................................................................................................................. ※2006年10月8日~10月12日の記事を転記

【1話】 「ちょっと通してね」

10月7日。 屋久島に来て良かった!(^o^)/ 実際に来て見て、島全体が山から海に一気に高度を下げる急峻さと山の奥深さに驚きだった。

西部林道ではヤクザルに出会う。 最初の対面は感動でしたが、車が進むとその先々でヤクザルの群に出会うので、これは野生ではなく観光客による餌付けのせいなのかなと思った。

人間を警戒しないお猿さんたちを見ると、かわいいんだけども、どうもやり切れない。 野生猿は野生猿らしく生きることが出来てこそ、世界遺産屋久島ではないのか?と感じた。

こう言いつつも、人間に慣れたお猿さんを、嬉しがって写真を撮っている自分は、なんだ? 自己ムジュン・・・

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【2話】 「ガジュマルと猫」

10月7日。

屋久島に着いて最初に訪れたガジュマル園で猫に会った。 猫らしく自由奔放。なかなか被写体になってくれない。 ようやく撮れた一枚がこれ。

掃除をしていたおばちゃんに聞くと、入れ替わりいろんな猫が来てウンチをするので困るとのこと。 南国の島は猫にとってもパラダイス(^^)/なのかも。

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【3話】 「轟音に漂う静寂」

10月7日。

大川(おおこ)の滝。

滝の前に佇むとなぜか謙虚な気持ちになるのは私だけだろうか? 流れ落ちる水量と轟音に圧倒される。

滝が紡ぎだす轟音の波動をトンボが静かにスイーッと切り取る。何度も何度も繰り返し静寂が続く。静かな思索の時間。 ただこのままボーとしていたいと思うこのときが最高に幸せだ。

贅沢な旅は有り余る時間にあると思った。

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【4話】 「気高い山」

10月7日。

千尋(せんぴろ)の滝。 山の懐のスケールが大きく、奥深さを感じる。

ここに足を踏み入れたら、もう帰ってこれないのではないか? 岩肌はツルツルで、長い廊下の壁のようだ。 なんとなく怖いと感じる美しさ。

山は急峻だ。山頂付近は、岩の峰がそそり立ち、モッチョム岳に連なる山々は、登山者を誘う美しい気高さがある。 かならず登りに来るぞ。

モッチョムに魅せられた登山者は、数多くいるのではないだろうか。

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【5話】 「干潮でラッキー♪」

10月7日。 お昼を湯泊の海泉茶屋というお店で食べた。 メニューは飛び魚の開き焼きで、注文してからテーブルに運ばれてくるまでがとても長く感じられた。屋久島と都会では時間の進む速度が違うのだろう。 お店の中は、満員。みなおしゃべりに夢中で、待ち時間も一向に気にならない様子だ。 昼食をのんびり、おいしく食べるのは、休日の旅先ならでは。これもまた贅沢だよね。 デザートもコーヒーも出て、780円也。

平内海中温泉が、歩いてすぐ下にある。 干潮時だけ姿を現す温泉ですが、ラッキーなことに写真の通り温泉があった。

旅行者の女性が3名、水着姿で入浴中でしたが、撮影すると盗撮になるので、上がって帰るまで待って、足湯で浸かった。 熱めのお湯で、自然の温泉。 波音を聞きながら、潮風にあたりながら、東シナ海を見ながら・・・・ 羨ましい、よね。

少し山手に行くと、屋久島焼の新八野窯があった。 素朴な味わいの器とともに、パリ調の色彩でデザインされた皿などもあり、楽しいお店だった。

ちなみに、海泉茶屋で出されたコーヒーカップもここで焼かれた作品だった。

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【6話】 「スピニカの中山さん」

10月8日。 空は雲ひとつない晴天。「屋久島ではこんなに快晴が続くことは珍しい」とガイドの中山さんも不思議そうだった。 今日は一日中水遊びなので、またとない好天である。

水に濡れても良い服装と持ち物と言われたので、カメラはデジカメが使えず、使い捨てカメラ。 肝心のリバーカヤックの模様は、中山さんが運営している「遊び処スピニカ」のホームページを見てもらうとよくわかる。

リバーカヤックは初めてで、漕ぐのはギクシャクして推進力が足りず、もっと経験が必要だと思った。 でもね、川面をすべるように吹いてくる風と、すぐ横にゆったり流れる安房川の重厚さが心地よい。

水面すれすれの目線からしか見えない川岸や、山の景色はまた格別で、野鳥や植物の名前を中山さんが教えてくれる。

カワセミにも会えました。「ラッキーでしたね」と中山さん。 お昼のおかずにするとのことで、川に入り、エビをすくって餌にし、ハヤ釣りをした。私が1尾、次男坊が2尾。おかずというにはあまりにお粗末な成果だったが、童心に帰って夢中になった。 お昼は、中洲に上がって、中山さんがアウトドアクッキングで、飛び魚を炒め、野菜炒めをして、ハヤも炒めてくれた。 なんとご飯は炊込み飯。 自然の中で、手作りの昼ご飯とは、贅沢なランチタイムだった。

昼食後、私がお昼寝をしている間、次男坊はハヤ釣りに再挑戦し、ついにハマっていた。スケジュールに振り回されず自由で気ままに時間を使える、「それがほんとの旅行ですよ」と中山さんは身をもって教えてくれた。

10月だというのに、川に浸かって泳ぐことも出来た。50歳を超えて、まさか川で泳ぐとは夢にも思わなかった。

リバーカヤックだけではなく、充分に川遊びをさせていただいた中山さんに感謝。

海の方にも漕ぎ出し、川と海の「波」の違いも体感できたし、海(湾)から見上げた屋久島の山々の奥深さも印象に残っている。

朝9時に始まり午後4時に終わった川遊びだったが、「1日が長いな」と次男坊がつぶやいた。

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【7話】 「屋久杉は希少価値だと知る」

10月9日。 もう屋久島最終日になってしまった。

今日はできるだけ多くの屋久杉を見ようという一日だ。 安房から近いのはヤクスギランド。 朝7時過ぎにクルマで出発した。 一気に高度をかせぐ山道をグングン登っていくと、ヤクシカを道路沿いに発見。

ヤクスギランドは標高1200Mほどにあり、さすがに肌寒く感じる。 これが紀元杉。

ヤクスギランドに戻ると、もう、かなりの人出。 私たちは80分コースを、のんびり歩くことにする。

屋久島は、屋久杉が鬱蒼と生茂る原生林かと思っていたが、全然そんなことなく、巨大杉(いわゆる「屋久杉」)はごく僅かしか残っておらず、その保全が、世界遺産となった屋久島に課せられた責務のようだ。 屋久島の杉は、古くから木造家屋の材料として重宝がられ、大量に伐採され、使える部分だけ平板に加工して、山から下ろしたそうな。 今でも、切り倒されて取り残された巨木の残骸が横たわり、そこに新たな生命が息吹き、成長している姿を目にする。 こんなに奥深く分け入って、伐採が続けられたとは、驚きだ。

川に下りることが出来たので、しばし休憩。水の冷たさと透明度は絶品です。 ここは昨日リバーカヤックで遊んだ安房川の上流にあたります。 昨日のゆったりと重い表情とはまるっきりちがう研ぎ澄まされた表情。

そして憂いを秘めた深緑色の回廊。 この表情の移ろいが自然の川の魅力だと思う。 川におりて、ついついのんびりしてしまった。

ヤクスギランドは、樹齢1000年以上の屋久杉が点々と残る樹林の中に遊歩道がつくられていて、とても歩きやすく、気持ちのいいコースだった。

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【8話】 「鯖の刺身が食えるって、本当?」

鯖の刺身が食えるのは、福岡博多と、ここ屋久島だと聞いて、お昼に「刺身定食」と「飛び魚のからあげ定食」を注文した。 写真は、飛び魚。 肝心の鯖は、気がついたときにはほぼ平らげてしまっていたので、ほんの一部しか写っていない。残念・・・・。

船の乗船時間まで3時間近くあるので、白谷雲水峡に足を伸ばすことにした。 宮ノ浦から奥の方に入っていくのかと思っていたら、クルマは登り一辺倒の道をグングンと高度を稼ぎ、山の上から海を見下ろす豪快なロケーションの標高まで登り詰めた。 えっ、こんなに高いところに。意外な感じだ。

山上の渓谷に足を踏み入れると、森の香りが漂う静かな遊歩道が続いている。 ここには、「弥生杉」をはじめとする巨大杉とともにコケやシダなど湿生植物が生い茂り、静寂の深い森を形成している。 ここでも、ヤクザル、ヤクシカのちょっとした群れに遭遇し、屋久島の自然の奥深さを感じることができた。

ここは、もっとじっくり時間をかけて奥の方まで散策したい所でしたが、時間に急かされ、中途半端な散策に終わり残念だった。 それと、天気が良すぎて、明るすぎて、不気味さが感じられない。やはり、渓谷を覆い尽くす一面の霧が似合うところだと思った。 でも、雰囲気は十分味わうことができたと思う。

これで、今回の屋久島は終わり。 川も森も、そこそこ堪能できた。 次は、山ですね。特にモッチョム岳は、機会があればなんとか登ってみたい。 無理やり課題を見つけて、屋久島に未練を残した。

(了) ......................................................................................................................................... 当初の計画では「一人旅」だったはずが、次男坊が急に「連れて行ってくれ」と言い出した。ま、たまには親子の旅もいいかな?と実行したら、意外と楽しかった。結局、親子の旅はこれが最初で最後になってしまったけどね...(笑)